物語の背景となる紀州の歴史

時は戦国時代、天正期、織田信長は天下統一に向けて着々と準備を進めつつあった。根来寺は信長の紀州攻めにも手引きとして活躍するなど、信長とは友好関係を保っていた。紀州根来寺は当時3000もの坊舎をもち、僧兵は1万人にも及んだ。僧兵は最新兵器鉄砲をもつ強豪部隊で、緒戦で暴れ回った経験を持つ。一方、根来寺では 玄宥と専誉の二人の学頭(能化)が勢力を争っていた。それと行人と呼ばれる僧兵集団は、何人もの有力な武将たちに率いられていた。 やがて1582年、信長は明智光秀に暗殺される。情勢は一変した。早くも信長の後継ぎを自称した秀吉は、根来寺の泉州の所領に難題をふっかけてきたのであった。

ものがたり

戦国時代の紀州。根来寺では清宥、頼空の二人の能化を中心とする学侶の集団、そして行人(僧兵)たちの集団が3つの勢力が互いに対立していた。ある日、大門池で女が入水自殺を図った。女は根来寺の僧、玄正に助けられ、尼寺、愛広寺で面倒を見てもらうことになる。女は吉乃と言った。日がたつにつれて吉乃は、堺の商人、嘉助から情報を得たり、不可解な行動をし始める。1582年6月、織田信長が明智光秀に暗殺され、秀吉が天下統一の事業を引き継ぐことになった。戦国の世はますます混乱し、根来寺の基盤も大きく揺らぐことになった。

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