物語

 時は戦国時代。鈴木孫一は紀州雑賀(今の和歌山市)の鉄砲衆を率いる名武将だった。孫一は、大坂本願寺に要請され、信長との闘いで大活躍をしていた。天下統一をめざす信長にとって、孫一の率いる雑賀衆は大きな障害だった。やがて、信長の10万の軍勢が、雑賀衆に襲いかかるが、孫一を始めとする雑賀衆は強力な鉄砲と計略により、対等に闘う。これは実質上の勝利だった。
 孫一の名はますます高まる。しかし雑賀衆も一丸ではなかった。雑賀の有力者土橋と孫一との関係も次第に溝が深まっていた。土橋の娘、おせいは、隣村、宮郷の若者、神前四郎と恋をする。しかし、土橋と宮郷とも昔からの敵同士の間柄だった。
 やがて信長は長島の一向一揆を滅ぼし、大坂本願寺への包囲網を着々と狭めつつあった。神前四郎もおせいとの仲を引き裂かれ、本願寺との闘いにかり出される。

 そしてついに、雑賀衆が支援する大坂本願寺と信長との決定的な対決の時がやってきた………。

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